新穂の日吉神社にて執り行われた『山王祭』を、少しだけ覗いてきた。
桜が満開を迎え、風に吹かれて少し散り始めていた、4月14日。


大きな赤い鳥居に、数店の屋台。

花手水には椿の花。
カメラを手にした外国人観光客らしき人や、地元の中高生たちで賑わう境内。
神輿や鬼太鼓の姿も見られた。
お目当ての『流鏑馬(やぶさめ)』は、なんと今年初めて女の子も射手として馬に乗るということで。
日吉神社創建800年、そして初の女の子射手という、メモリアルなタイミングで見に行けたのはまさに予期せぬ幸運。
型破りではなく、時代に合わせて柔軟に。男の子でも女の子でも、伝統を受け継ぐ子供たちがいてくれることは、何よりもありがたく尊い。

流鏑馬の準備が進んでいるのを見ながら、私は近くにいる人たちに何度か声をかけた。
というのも、境内なのか、歩道なのか、近くのグラウンドなのか、どこで流鏑馬が行われるのか知らなかったからだ。
ところが面白いことに、みんな「さぁ~どこでやるのかなぁ」「ここで待ってればいいんじゃない?」と、明確な答えが返ってこない。玄人っぽい方に声をかけたつもりなのに、みな私と同じく初見の人ばかりだった。
それからしばらくして知り合いを見つけ、その人から情報を仕入れさせてもらった。
どうやら、道路沿いに間隔をあけて並んでいる三つの木製の的があって、子供たちが馬に乗ったままその的めがけて弓を射るらしい。
撮影のベストポジションを求めて道路を渡ったりしているうちに、早くも一回目の流鏑馬が始まった。

近くの見物客から「がんばれ~」と声援が飛ぶ。射手の子を同級生が見守っている様子も、温かくて微笑ましくて素敵。
一つの的に対して二回挑戦し、二回とも外れてしまった場合は的のすぐ下に控えている人が矢を手で拾い上げてえいっと投げて強制的に的に当てることになっているらしく、その様子が面白くて思わず笑ってしまった。
今年初の女の子射手も、堂々たる姿で弓を引いていた。命中率も高かった。

流鏑馬の後には、射手が乗っていた馬が境内を駆け抜ける「上げ馬の駆け出し」という、ユニークなネーミングの行事もあった。カメラを構える人々の前を、結構なスピードで馬が走り去る。本当に一瞬だったので、うまく写真は撮れなかった。
だけど、思わず人に話したくなる「上げ馬の駆け出し」なるイベントを見ることができて大満足であった。
高揚感もそのままに、屋台で唐揚げと団子を購入し、帰路につく。
佐渡暮らしは長いのに、実は今まで一度も見たことがなかった流鏑馬。
これまで脈々と伝統を受け継いできてくれた地域の方々のおかげで、令和の今でも見ることができるわけで。その貢献を当たり前と思わず、これからも佐渡の誇りある伝統文化として守っていかねばならないと思った。
地域に根差した祭りの良さを味わうことができる、新穂の山王祭。
まだ見たことがないという方はぜひ来年の春に日吉神社まで足を運んでみてもらいたい。
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